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共同輸送コミュニティ体験記 ~関東関西編~

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こんにちは、日本パレットレンタル デジタルロジスティクス事業開発部の関川です。
突然ですが、「物流の2024年問題」、「カーボンニュートラル」といったトピックスについて、課題感はありませんか?また、具体的に何をしたらいいかわからない、というようなお悩みはありませんか?
本ブログは、荷主企業の輸送課題解決を目的として開催した「共同輸送コミュニティ」の事務局の立場としての体験レポートです。
輸送について、下記のような点にご興味がある方はぜひ最後までお読みいただけると幸いです。

  • 「物流の2024年問題」以降の輸送を効率化したい。
  • CO2の排出量を削減したい。
  • コスト上昇を抑えたい。


1. 共同輸送コミュニティとは
共同輸送コミュニティとは、地域や業界の特性により、同一の課題をもった複数の荷主がオフラインの会合で顔を合わせながら情報交換等を行い、共同輸送を実現するマッチングスタイルです。

2. コミュニティ実施の経緯
「物流の2024年問題」への対応が近づいてきたタイミングで、中長距離の輸送に課題を持つ方がTranOpt会員企業様の中にも増えてきました。
そのような方々に課題のルートをヒアリングしたところ、「荷物の行き来が多い関東関西間の輸送を効率化したい。」という声をいただきました。
そこで、関東関西間の輸送効率化を目指す荷主企業を募ったところ、参加希望企業が集まり、コミュニティを開催する運びとなりました。
コミュニティ参加をご希望いだいたのは、飲料メーカ(A社)様、住設機器メーカ(B社)様、ガス機器メーカ(C社)様、日用品メーカ(D社)電量販店物流子会社様(E社)と様々な業界の企業です。


3. コミュニティレポート
本項では、コミュニティ参加企業による会合の様子を事務局目線でレポートします。
まずは各社が自己紹介を行いました。当日の司会進行を担当しましたが、多業界の5社が一堂に会することになり、もちろん初対面同士でしたので、この時点ではまだ若干雰囲気が堅い印象でした。
その後、本題である課題ルートの共有に入りました。序盤は参加企業同士の質疑応答が控えめで、弊社がフォローを行う場面もありましたが、徐々に会話量が増えていき、中盤からは、「○社さんとならマッチングの可能性があるかもしれない」、「○社さんと別途打合せを行い、詳細条件を確認したい」といった声が上がり、活発な協議が繰り広げられました。
最終的に1時間の協議で約20ルートが出そろい、9件のマッチングが成立しました。正直、会合の序盤は「このまま協議が盛り上がらずに終わってしまうのか!?」と不安に思いましたが、輸送を効率化したいという目的のもと集まっていただいた方々ですので、杞憂でした。

他にも、会合中に印象的な場面がありました。
協議の合間に休憩時間を取った際、2024年問題への対策状況などのざっくばらんな会話がはじまりました。その中でも、モーダルシフトについては、皆様の関心が高かったようです。
このように、共同輸送マッチングの協議の他にも物流に関する情報交換の場として、会合を有効活用してもらえたようでした。

4. 共同輸送が成立した案件、不成立となった案件の紹介
本項では、各社様のマッチング後に共同輸送が成立した案件、不成立となった案件の一部をご紹介します。
まずは共同輸送が成立した事例のご紹介です。

  • B社は課題として、大阪から埼玉への輸送コスト削減を挙げていました。C社は埼玉から大阪に輸送を行ったあとの帰り荷の確保に苦慮していました。そこで、B社とC社の帰り便をマッチングさせることで、「B社は帰り荷として輸送してもらうことで運賃の削減」、「C社は帰り荷の確保による収入の創出」と、両社でメリットを感じていただきました。

次に不成立になった案件の紹介です。

  • A社とC社で混載マッチングを検討した際、重量勝ちの飲料を下に積み、容積勝ちのガスコンロを飲料の上に積む計画でしたが、双方のパレットサイズが異なり段済みができないことが判明、共同輸送は不成立となりました。
  • A社とB社のマッチングの際、A社の品質管理の観点で、輸送時のパレットは樹脂製を指定、しかしB社は木製パレットを使用しており、不成立となりました。B社は商品とパレットのサイズの兼ね合いで樹脂パレットへの切り替えが難しいとのことでした。


5. 共同輸送成立のポイント
最後にコミュニティ参加企業同士の協議を聞いていて感じた共同輸送成立の確度を高めるためのポイントをお伝えします。
前提として、「今まで共同輸送を検討してこなかった業界とのマッチング」という視点を持ち、共同輸送の視野を広げていただくことが大切だと感じました。本コミュニティについては、多業界での検討でしたので、輸送条件が折り合わないことを心配する方もおりましたが、いざ協議を進めると、複数のマッチングが成立しました。
マッチング企業同士で条件確認を行う際にもポイントがあります。協議を進める上で発着地住所の他にも、出荷・納品時間や荷姿等の詳細情報の開示が必要になります。その際に、お互いが譲れる条件、譲れない条件を出し合いながら協議することで、輸送条件が明確になり、共同輸送成立の可能性が高まるように思いました。
また、2024年4月より、ドライバーの時間外労働時間の上限規制が運送事業者向けに適用されました。
こういった状況を踏まえて、荷主企業は納品リードタイムの延長や荷積み・荷降ろし時間の削減を視野に入れながら協議を進めることが今後の共同輸送成立に向けて大切になると考えます。

弊社の共同輸送マッチングサービス「TranOpt」では、本ブログでご紹介しましたコミュニティの他にも、プライベート利用や輸配送データ分析サービスなど様々な活用方法をご提案しています。
輸送に関するお悩みは、些細な事でも構いません。お気軽にご相談いただけると幸いです。

さいごまで、お読みいただきありがとうございました。

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