2024年問題:⑨共同輸送とTranOpt

日本の物流業界は2024年問題による時間外労働時間の制限、ドライバー不足・高齢化、脱炭素等の課題を抱えています。これに対し、これまでデジタルトランスフォーメーション(DX)、シェアリングという観点で解決策を検討してきましたが、今回は物流効率化策の一環として共同輸送について触れます。

共同輸送といっても、様々な方法があります。以下では、代表的な共同輸送の方法を紹介します。

最も知られているのは複数の荷主の少量貨物を一つの運送手段でまとめて輸送する「混載輸送」です。異なる荷主からの荷物を同一の輸送手段でまとめて運ぶ方法であり、積載効率が向上します。混載輸送は、コストを削減するだけでなく、CO2排出量も減らします。

「帰り便輸送」は、空車走行を行っている帰り便に新たな荷主の荷物を積むことで、空車走行区間を大幅に減らします。帰り便輸送は、空車走行を減らすことができるため、ドライバー不足に直面している物流業界にとって、非常に有用な解決策となります。



「ミルクラン輸送」は、輸送ルート上の複数の地点で積み込みを行いながら、最終地点に向かう輸送方式です。共同配送の一つであり、購入サイドが車両を出して、各サプライヤーの軒先まで商品を取りに行く方法です。効率的なルート設定と運行スケジュールにより、トラックの必要数削減、コスト削減、ドライバーの最適化が可能となります。また、需要の増大に対応するための有効な手段でもあります。

トラックのヘッド交換や、ドライバーの交代を行って輸送する「中継輸送」も昨今注目されています。トラックは荷物を積んで出発し、一定の地点(中継地点)まで運転します。中継地点でトラックのヘッド(牽引部分)の交換もしくはドライバーを交代させ、新たなドライバーが輸送を引き継ぎます。これにより、ドライバーは休息時間を確保しつつ長時間労働が回避でき、荷物の輸送は中断されることなく続けられます。中継拠点の運用によりコストアップになる場合もありますが、2024年問題に対する解決法としてサービスが拡大する可能性を秘めています。

以上の方法は、物流業界が抱える2024年問題に対する実用的な解決策です。それぞれの方法が、ドライバーの長時間労働やドライバー不足の問題を軽減、輸送コストの削減、需要の増大に対応し、かつ環境に配慮するという共通の目的を持っています。

TranOptでは、上記方法の「混載輸送」、「帰り便輸送」、「中継輸送」の共同輸送先を見つけることができます。また、TranOptはトラックだけでなく、鉄道や船舶といったモーダルシフトの共同輸送先も見つけることが可能になっています。TranOptは異業種の共同輸送先を見つける以外にも、自社内やグループ会社間の実車率や積載率の向上、CO2削減等、物流の効率化を計るプライベートな共同輸送マッチングも可能となっています。

さらに、現在は共同輸送先がなかなか見つからない荷主や同業他社とマッチングするためのコミュニティ(共同輸送の実現のために実際に顔合わせする会合)による共同輸送も推進しています。TranOptが普及することにより、物流業界は2024年問題等の課題を克服し、持続可能な成長を達成できることを強く願っています。

2024年問題についての記事は今回で終了となります。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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