インタビュー

異業種との共同輸送による車両効率の改善

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グローバルなブランドを展開しているA社さま。私たちの日々の生活をアクティブなものにするA社さまの製品は、アパレル・アクセサリーまで多様です。今回はA社のご担当者さまにTranOpt(トランオプト)を活用した共同輸送の取り組みについてお話を伺いました。

アパレル業界A社 物流ご担当者さま

TranOptを活用してスタートした共同輸送の概要を教えてください。
当社は山梨県に物流センターを構えていまして、そこから各地のお客さまに製品をお届けしています。今回この山梨県のセンターから、大阪府内のお届け先への輸送について、TranOptを介してB社さまと共同輸送を始めました。
当社は山梨から大阪へ、B社さまは大阪発関東発で片道便を日々複数台交互輸送させており、今回B社さまの運行するトラックをシェアしています。

山梨県というロケーションは共同輸送を始めるきっかけに関係がありますか?
ええ。地理的な要素もありますが、物流の運用上の制約も背景にあります。
当社では、チャーター便と路線便を使い分けて商品の輸送を行っているのですが、チャーター便と路線便の使い分けは物量を基準にしています。路線便では1件あたりの物量に基準があり、それを超えるとお客さまへの納品リードタイムに収まらなくなるのです。具体的には1件あたり3.4立米の物量を境に、それ以上はチャーター便で、未満が路線便という区分けになっています。3.4立米を超えると、チャーター便を使うことになるのですが、積載率が低くなってしまうことが悩みでした。
このような課題を抱えるルートの一つが、今回共同輸送を開始した山梨から大阪のルートだったのです。

路線便以上、チャーター便未満の物量に課題があった(写真はイメージ)

共同輸送の効果はいかがでしたか?
懸案だった積載効率を改善することができました。当社とB社さまで車両を共有することで、ルート全体での実車率が向上しました。
また、今回、共同輸送を始めるにあたって当社は、大阪の2カ所のお届け先への輸送を1つの車両に集約しました。従来はお届け先ごとに車両を仕立てて2台のチャーター便を運行していたものを1台にまとめたのです。各お届け先への納期を守りながら、車両を削減でき合理化につながっています。

どのように車両の集約ができたのでしょうか?
納品可能時間に幅があることと、2カ所のお届け先の距離が近いことが大きな要因となっていると思います。納品先が違うのでチャーター便は別で仕立てなければならない。という固定概念があり、これまでは検討出来ていなかったのでとても良い機会になりました。

共同輸送により空車区間が減少した

B社さまとの混載も行っています。季節波動が大きいこともアパレルの物流の特長で、積載率が上下してしまいがちなのですが、今回の取り組みでは、当社の物量を事前にB社さまにお伝えすることによって、余裕のあるスペースにB社さまの商品を混載して、積載率を上げています。

それは効率的ですね。B社さまと共同輸送を開始するまでの流れをお伺いできますか?
TranOpt導入のきっかけは、製品紹介のセミナーを視聴して興味を持ったことでした。さっそく当社の希望ルートを登録しまして、マッチング結果をふまえてJPRさんにB社さまとの顔合わせをアレンジしていただきました。それが2024年の2月。そこから、契約の準備やテスト輸送も挟みながら、本番の運行の開始が2024年の8月ですから、顔合わせから運行スタートまでがおよそ6カ月ですね。

準備段階でご苦労はありましたか?
顔合わせをして、B社さまのほうから「これはB社で運べそうですね」というお話をいただいて以降、当社内部の実務的なところで、委託先の物流事業者さんとの確認や調整に時間を要する場面がありました。B社さまとの調整については、スムーズだったという印象です。

B社さまはTranOptを通じた共同輸送をすでに経験されていましたので、それがスムーズさにつながっていたかもしれません。A社さまでは、過去にも共同輸送へのお取り組みはされていたのでしょうか?
はい、取り組みは行っていました。山梨県に物流センターを置いたのが2年ほど前で、当初は共同輸送の候補先を探すにあたっての情報がなかったものですから、物流を委託している3PL事業者さんに提案を依頼したり、近隣の荷主企業や物流企業をあたってみたりするところからでしたね。
ですが、なかなか相手を見つけることができない。具体的な共同輸送の相手を探すことの難しさを感じていました。

そこで荷主である御社自らが動いてTranOptを?
そうですね。TranOptに興味を持って試してみることにしました。

振り返ってみてTranOptの効果はいかがでしたでしょうか?
B社さまは、アパレルとは全く異なる業界の企業で、TranOptを使わずに出会えたかというと、その可能性はかなり低かったように思います。業種に加えて地域についてもそう感じます。B社さまは山梨県に拠点を置く企業ではなく、千葉県および埼玉県に拠点をお持ちです。TranOptを介して、千葉から当社のセンターがある山梨を経由するルートが描けたわけですが、例えば首都圏といった広い地域から、山梨経由で大阪方面というルートに対応可能な企業を、ピンポイントで探し出すということはとても難しいことだと思います。

今後、さらにTranOptを活用できそうでしょうか?
そうですね。今回の取り組みを広げて、他のルートにも共同輸送を展開してみたいと思います。そのために、JPRさんにはTranOptに参加する企業の数、業種の多様さを、さらに充実していっていただきたいな、と思います。

さらに多くの企業に参加いただけるよう努力いたします。物流業界では共同輸送に限らず、物流2024年問題へのさまざまな対応が求められていますね。
アパレルの商品はアイテム数が非常に多いことが特長ですが、実は重量物でもあります。これから運送会社がバラ輸送を敬遠するケースが増えていくと思いますから、パレット輸送も検討していかなければならないと考えています。当社ではモーダルシフトの検討も行っているのですが、パレット輸送とバラ輸送で料金が大幅に違うことを知り、こういったところでもパレット化が求められているのかなと感じることがありました。

モーダルシフトの推進でもパレット化が求められる

今後、お客さまに向けたパレット輸送を行えば、お届け先からの空パレット回収が課題になりますから、JPRさんによる回収網の充実に期待しています。

パレット輸送の環境づくりに取り組んでまいります。また、TranOptでも鉄道や船舶とのマッチングが可能ですので、お客さまのお役に立てるよう総合的なご提案に努めます。
JPRさんとのコミュニケーションは、TranOptだけに限定せず、日々有益な情報を提供していただけるので、とても助かっています。これからもよろしくお願います。

こちらこそお願いいたします。本日は貴重なお話をありがとうございました。

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